FireFace800の故障

 FireFace800の電源が入らなくなった。2004年の9月末に発売されてすぐに購入したFireFace800、2年で初めての故障だ。

 今年はじめごろから、電源ボタンを押しても、すぐに電源が入らなくなり始めた。少し時間が経てば電源が入る。電源が入るまでは、インジケーターが点滅し続ける。それが、だんだんと長い時間を要するようになってきたのだった。

 この9月に入って、とうとう電源が入らなくなった。シンタックスへメールした。すぐに返事が来て、電源部の劣化が考えられるとのことだった。FireFace800周囲が熱で覆われるとよくない旨も書かれていたが、周囲には何もない状態にしている。冬に部屋を暖めないと電源がなかなか入らなかったことを思い出し、逆にFireFace800の周りを暖めてみた。外付けCDRWをFireFace800の上に載せて電源を入れておいたのだ。それでしばらくして電源が入った。それからは、電源をつけっぱなしにしておいた。

 ひと作業を終えたので、久しぶりに電源を落とした。そうしたら次の日には、完全に電源が入らなくなった。暖めてもだめだった。二日してもだめだった。とうとう諦めた。修理に送ったところである。

 その場しのぎに、M-AUDIOのDELTA OMNI STUDIO 66をほかのPCからはずして持ってきた。以前はこれを使っていた。そこそこの音でそこそこの作業ができていたはずだった。まだ、CUBASE SXを使っていた頃だった。

 DELTA OMNI STUDIO 66で、先日マスタリングした「地と空」を聞いてみた。いい感じだった。高域の音は、今ひとつだが、低域は意外とがっしりとした感じで悪くない。このモニターシステムにしてからはじめての試聴だ。たまには、DAコンバーターを変えて聞いてみるのもいいものだと感じた。

 ところが、NUENDOで作業をしてみようと、96KHzのサンプリングレートのNUENDOファイルを読み込んだ。出力設定を変えて、再生してみた。だめだ。音がよれて聞けない。最新のドライバーに変えてみたがだめだった。48KHzのNUENDOファイルなら大丈夫だった。

 NUENDOファイルでは、PCの能力の限度ぎりぎりまで使う。FireFace800でも、購入した当初は192KHzのファイルで、プラグインを多用できなかった記憶がある。ドライバーがアップされるにしたがってFireFace800の能力もアップしてきたことが思い出される。FireFace800を前提としたNUENDOファイルに知らず知らずのうちになっていたわけだ。

 久しぶりに、他のオーディオカードをいろいろ調べてみた。この頃は、安いものからFireFace800以上の値段のものまで、いろいろと新製品が出ている。スペックも上がるばかりだ。APOGEEの製品など、魅力的なものもあるが、魅力的なものはMAC専用であったりする。

 NUENDOファイルを前提に考えるならば、やはりRMEだろう。用途を考えると、FireFace800しか選択肢がない。何といっても安定性が違う。出音だけを気にする人も多いようだが、安定性だけは試してみないとわからない。192KHzの多チャンネルは、そんなにたやすいことではないはずだ。楽器店のデモなどでも、192KHz多チャンネルファイルにおいてのオーディオカードの比較などやってくれるといいなと思う。出音だけで、ミックスはできない。出音はむしろモニター環境のほうが大きな意味を持つ。

 そういった意味では、今回の故障はいろいろ考えさせてくれるよい体験になった。