オベーションというもの

 友人に紹介されて、リペアマンの工房にオベーションを持ち込みました。オベーション?と怪訝な顔をされました。オベーションは、リペアするように作られていないということです。簡単に言えば使い捨て、という発想で作られているとのこと。年数が経てば、ボディが波打ってきてべかべかになるようにできている。エポキシの接着剤のかたまりだから、絶対にパーツははがれない。ブリッジがきれいにはがれたように見えても、実はボディの木ごとブリッジが持っていって、どういうわけかきれいにはがれたようになったというわけです。
 オベーションはボディがべかべかになるくらいにやわに作られているそうで、それは裏側の強度を保つ木の取り付け方にあるそうです。日本やマーチンなんかでは絶対にやらないやり方で、強度がないのだそうです。強度がない分、あとで取ろうとしても取れないくらい強力なエポキシを使っている。リペアできるギターは、100度で溶けるような接着剤をつかっているが、エポキシは高温になればなるほど逆に強力になる。その代わりに、あの音はほかでは真似のできない音だからオベーションはオベーションであると。その方は、1万本くらいギターをリペアしているそうですが、オベーションのクラシカルははじめてだそうです。しかも、USAときているから貴重なものだから直してくれるそうです。ほっとしました。