独自性と音楽性とエネルギー

 相棒のjoeにDVDを送った。5.1chサラウンド録音されたビデオ付属のお粗末な録音の生音、別録りのマイク録音の音に差し替えたもの、それから新曲「生まれた街」のビデオ。それらをDVDに入れた。

 思ったよりも演奏は悪くなかった。25年前と変わらないライブ感覚。あまり緊張しないあの感覚。当分二人でライブをする方向だが、その方向性をみつけることもできたし、次作CDへのスタンスのヒントもあのライブから見つけた。25年前と違うのは、僕が唄うということと、かなり冷静に判断できるということ、そして何よりも演奏に対する自由さである。

 唄うということで生まれる、ギターへの制約。それもまた違った展開を産む。伝えたいことは、独自性と音楽性とエネルギー。ライブでの詩の伝わりにくさを認識させられたことで、逆に詩というものが自分たちを納得させるためにも存在していることに気づく。聴く側は、本当に言葉を知りたければ、CDで聞けばいい。外国人アーティストの言葉がわからなくても、僕たちは独自性と音楽性とエネルギーをもってそのアーティストを体感する。そいういうことなのだ。

 人の音楽を真似たものではなく、人の音楽を聴くことで影響され、その影響を独自の世界の中に取り込んでいく、この作業の違いを伝えたいな。そう簡単なことではないけれど。