音はどこに存在するのか?

 今までも、頭では分かっていたことがある。録音し、ミキシングの段階、マスタリングの段階で、最重要となるモニター環境。その、スピーカーの置く場所が限定されてしまうので、どうにも空間を作り出せなかった。具体的には、スピーカーとスピーカーの間に、PCのモニターを置いていた。これがよくないのはわかっていたが、どうにもできなかった。それを踏ん切りをつけて、いっきに模様替えで変えた。CRTモニターをなくして、液晶ひとつだけにした。

 都会のアパートに住んでいるわけではなく、田舎の余裕のある場所に自宅スタジオがある。が、農の仕事の場所も兼ねている。そこが問題である。そこを何とか、アイディアによって工夫して克服してみた。2セットのスピーカーの間に空間を設けたのである。これは、すごいことであった。偉大なる変革、というくらいの大げさな違いが現れた。

 音は、まぎれもなく、空間に存在していた。スピーカーとスピーカーの間の空間に、分離をともなって音楽の演奏が繰り広げられていたのだ。当たり前といえば当たり前、なんだけれど、えっ?ここまで?というくらいに違いがあった。