ロックでありブルースであることとは

 今、自分がしていることがほかの人にはどのような影響があるのか?あるいは、自分のしていることが地球にとってどういう影響があるのか?人を苦しめることになってはいないか?家族を苦しめることになってはいないか?地球を苦しめることになってはいないか?ほかに最良の方法はないか?そんなことを皆が考えて生きていくと、穏やかな環境が生まれるのではないか、と考えます。

 最良の方法とは、その人自身にとっての最良の方法です。そして、それはその時々で完結していますので、あとになってみると「もっと違う方法があったのかもしれないな」と感じることも少なくないでしょう。あれはよくないことだったかな?と思ったときに、人は変わることができます。逆に、誰かに言ってもらわないと理解できないこともあり、言ってもらって初めて、あるいは訴えられてはじめてそうだったか、ということもあるでしょう。その、言わないと訴えることができない(裁判の訴えるではないですよ)、そのことを表現する方法こそがロックであり、ブルースであると思います。

 僕も若い時のような直接的な訴え方はもうあまりできない年齢になっています。しかし、若い時には見えなかったものが見える時、違う手法で訴えることを音楽で表現していこうとしています。どんなにがんばってもどうしようもないこと、それは確実に存在します。そこを乗り越えようとするときに、同時に挫折もありますが、訴えたいものが自然と出てきます。そんな場面の一つが、今回の「山を崩さないで」を書かせた、という事実があります。ですから、この曲は、まぎれもなくロックであり、ブルースと言えるでしょう。その内容については、聞き手の受け取り方でそれぞれに違いますので、これ以上は語りません。