確立

 お盆は朝から要求が多いものだが、無視してトラクターに乗る。死んだ親父が昨日から戻っている感じはしているのだが、親父の母親は相変わらずに親父の父親に似て狂気的だ。

 トラクターに乗っては、納屋で音に埋もれる。この繰り返しだ。きっと60歳になっても70歳になっても、同じことをしているだろう。盆暮れというものは、曜日の感覚がなくなる。世間体も突如として浮上する。世間体を捨てた僕にとって、トラクターと音は絶好の逃げ場だし、一番のやりたいことでもある。妙なけんかをするよりも、逃げますよ。収めるつもりもないし、穏便にも時と場合によってはなれないものだ。今日は思った。ここまで人間の信念を貫き通すのならば、霊界は見ているほかないんじゃないか、と。霊界は強いが、人間界の信念はさらに強いぞ。